えんぴつ画サバイバル

えんぴつと紙を持ってヨーロッパに行き、まるでえんぴつ界のわらしべ長者のように生きていくという、神戸大学1回生によるチャレンジの軌跡を記しています。

えんぴつ画サバイバーの想い

えんぴつ画サバイバル19日目。

生きてます。

37日あるサバイバルのちょうど折り返し地点にあたる今日は、一日かけてボルドーからマルセイユまでバスで移動します。

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ゆっくり時間がとれたので、今日は、えんぴつ画サバイバー、やまぐちこうきの想いを綴りたいと思います。個人的には今までのサバイバルを振り返り、今後の新たな軸を作る、よいきっかけにしたいと思っています。

少し長いですが、パトロンとして支援してくれてる方、陰で応援してくれている方、なんかおもろいからブログ見てくれてる方、皆さんに読んで頂けたら嬉しいです。

今日考えたのは、昨日までのえんぴつ画サバイバルとは一体何だったのだろうか、ということ。そして、明日からのえんぴつ画サバイバルでは何をするか、ということ。

今までにやってきたことは、こんな感じ。

バイバル1日目から続けてきたのは、似顔絵を描いて差しあげるということだった。泊めてもらう代わりに描くということはほとんどできなかったけど、描くことでおごってもらったり、1000円ほどで売ったりすることはかなり実現できた。想像以上に喜んでもらえて嬉しかった。

バイバル6、7日目は、ナショナルギャラリー前で、「人々を驚かせる絵」を描いて、お金を稼いだ。宿泊費も含めて差し引いて、黒字にできた日は、本当に、うまくいった!!と思った。ガッツポーズも久々にした。フランスでチャレンジしたときはうまくいかなかったけど、場所によってはうまくいくとわかった。

また、ヒッチハイクも割とうまくいった。ヨーロッパに来てから、1000キロメートルくらいの距離をヒッチハイクで移動した。ヨーロッパの人々の温かい助け合いの精神を身にしみて感じたし、言語の壁も乗り越えながら必死で、でも楽しくコミュニケーションした経験はかけがえのないものになった。

ついでに野宿も経験した。風が気持ちよく、景色はよく、朝の日差しも悪くない。ただ、いつも警戒しなければならない精神状態で、物理的な寝心地もよくないから、頻繁に目が覚めたり、全然寝れなかったりする。帰る場所、安心して寝る場所があるありがたさを本当の意味で知った。

色んなコミュニティも経験した。ホームレスアーティストのコミュニティ。深夜を徘徊する黒人ダンサーのコミュニティ。朝まで酒を飲みながら踊る、パーティーピーポーのコミュニティ。とにかく信じられないくらいの出逢いがあった。

うまくいかないこと、辛いことも多かったし、お金に頼ることもあったけど、なんとかサバイブしてきたと思う。

しかし、イタリアでの5日間は、今までやってきたこういったことを、きっぱりやめてみたい。これが今のえんぴつ画サバイバーが下した決断。

理由は、「僕にしか描けないえんぴつ画」を描いてこなかったから。えんぴつ画家として、本気で、誠実に、真正面から「えんぴつ画」と向き合うことができていなかったから。

似顔絵を描いたり、写実的に何かを描いて人を驚かせるパフォーマンスをしたりするときも、もちろん僕なりの描き方と技術があって、それが誰にでもできると言っているわけではない。しかも、そうやって人に喜んでもらうこと自体は素晴らしいことだと思う。

ただ、やっぱり僕にしか描けない絵を描きたかった。本当のアーティストとしての実力を試したい。僕の絵は必ずしも一般に広くウケる絵ではない。でも、少数の人の心にグサッと何かを突き刺すような絵を描きたい。それが僕の「えんぴつ画」。

僕を知ってる人ならわかるかもしれないけど、普段から服を固定したり、部屋に物を置かなかったり、荷物を持たなかったりすることによって、選択を減らし、本質をクリアにし、重要な部分に注ぐエネルギーを最大にしようと努めている。

それと同じように、似顔絵を描いてあげたり、意図的にみんなを驚かせる絵を描いたり、ヒッチハイクしたり、野宿したりすることには、それ相当のエネルギーが必要。すべて経験してきた僕にはそれがわかる。それらのエネルギーを一旦すべて解放して、本気でアーティストとして「えんぴつ画」と向き合いたい。

そして、それでもなお、サバイブしようと試みるのが、「えんぴつ画サバイバー」の本当のチャレンジだと思う。僕にしか描けないえんぴつ画を本気で描いてる姿を見せる。ヒッチハイクや野宿なんてちょっと勇気を出して、まぁまぁのエネルギー使ったら(特に男なら)誰にでもできる。そこはきっと本質じゃないんだ。

それをするための土壌が、イタリアで正しいのかはわからないけど、イタリア滞在の5日間でチャレンジしようと思う。やり方とかも、まだ正直わからない。でも、本当にやりたい。だからやる。

うまくいく保証はゼロ。ただ、チャレンジする価値はあると信じてやってみる。悔いの残らないようにやりたい。

長くなりましたが、今日考えたのはこんなところです。今後どうなるかわかりませんが、僕のチャレンジを引き続き応援して頂けると嬉しく思います!