えんぴつ画サバイバル

えんぴつと紙を持ってヨーロッパに行き、まるでえんぴつ界のわらしべ長者のように生きていくという、神戸大学1回生によるチャレンジの軌跡を記しています。

本気のえんぴつ画。サバイバル21、22日目

バイバル21日目と22日目が終了!サバイバルが始まってから、あっという間に3週間が経ちました!皆さんもお元気ですか?

21日目は、朝8時頃にフィレンツェ到着!ついにイタリアまで来ました!ヒッチハイクで来たい気持ちもありましたが、確実で、スピーディーで、宿泊費も浮くので、夜行バスでやってきました。時は金なり。

とりあえず、異国の地に来たらマクドに行く癖が。笑

まず、今日から新たにえんぴつ画を描くために、良い紙を手に入れるべく、画材屋さんへ。行く予定をしていたウフィツィ美術館の近くにあったのでラッキー。

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店の中で、ドイツ人のお客さんと談笑。ここ良いですね、という話をすると、わざわざドイツからここに画材を買いに来ているという!さすが、フィレンツェ

さて、とりあえずえんぴつ画用の丈夫なボードは無いらしいので、適当に良さそうなやつを選ぶ。試しに描いてみたいとお願いすると、直接描かせてくれた!ケントボードほどではないけど、なんとか描けそう。

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カバンみたいにしてくれました。笑

まずは、何が何でも行っておきたいウフィツィ美術館へ。

あんまり写真は撮ってませんが、恒例のラファエロだけシェア。

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4時間くらいで回ったと思います。全体的に本当に良かったです!

よく知らないけど、普通のブログなら、美術館で撮りまくった絵の写真を並べて、この絵はこうで、あの絵はああで、ってやるのかもしれないけど、えんぴつ画サバイバーは「全体的に本当に良かったです」で済ませてしまうという。笑

その後、時間もまぁまぁ経っていたので、ホステルに行って、えんぴつ画を描き始めることに。描き進めるだけなら一人で集中して描いてる方がはかどるのは当たり前。

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白紙から執念で仕上げる。

ここのホステルは、フィレンツェの中心地にかなり近いにも関わらず、4泊で5000円。来てみると、ロビーには黒人の方ばかり!彼らは泊まっているというよりは、もう住んでるような感じみたい。受付は白人、掃除は黒人。どういう構図?

ま、なんでもいいや。

黒人19人がいるロビーで、えんぴつを取り出してえんぴつ画を描き出すアジア人。描きながらチラッと見ると、グッジョブサインをくれたりする。絵を描くやつを敵に回す人は少ない。笑

翌日からは道で描く!

そして翌日、サバイバル22日目!!

張り切って、フィレンツェの中心地へ!!場所は決めていた。3人のアーティストがストリートアートできるように場所が仕切られているところがある。僕はその周辺を(勝手に)使うつもりをしていた。

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彼らはかなり稼ぐ。僕がやっていたものとは少し質が違うけど、彼らがやってるのもやっぱり模写。彼らの目的は必ずしも稼ぐことではないけど、一般的に街の人々は「上手い模写」が好き。僕がロンドンで稼げたのもそれが理由だった。

自分の知っているものや見たことがあるものなどと、どれだけ似てるかっていう基準が、絵を見るときの一番簡単な基準だからね。で、みんな揃って上手いだの下手だの言い合う。

でも、クリエイティビティっていうのは、新しく生み出された、今までに見たこともないようなものだよね。これをその基準で見て、「下手」に分類されたらがっかりだよね。絵を見るときには逆の基準も必要だと思っていて、例えば、今まで見てきたあらゆるものと比べて、どれくらいかけ離れているか、とか。

そしてこの辺に、クリエイティブにアートを続けていく難しさが潜んでるんじゃないかなぁ。

と、ちっぽけなえんぴつ画アーティストがなんか語ってみる。笑

それはともかくとして、現地に着くと、自分のアートを披露することにめちゃくちゃためらいを感じた。何かを今まさにしようとしていて、でもこんなに何もできない感覚は、今までに無かった。メンタルに異常に負荷がかかってる気がした。あんなにいつも自信満々のえんぴつ画サバイバーが、自分のアートに100%の自信を持っていなかったのか。

もたもたしてると、急に篠つく雨が。はぁ。

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えんぴつ画サバイバーは、基本的に雨が降ると、ヤバい。笑

しばらくその辺のよくわからん店で雨宿りしながら、止んだら必ずやろうと決めた。なんとか止んだので、始める!

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立ち止まる人はほとんどいない。それでも良いんだ、みんなには僕の絵の良さがわからないんだ、とにかく描き続けろ、なんてことを自分に言い聞かせながら、描き続ける。

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次第に慣れてきて、楽に描けるようになってきたころ、中国人の女の子3人が近寄ってきてくれて、すごい良いね!と言ってくれた。めっちゃ嬉しい。

そうだ、僕がしたかったのは、もはやたくさんの人に驚きを与えることではなかった。たった1人でもよいから、誰かの心に何かを突き刺すような絵を描くことだった。4年前、僕がえんぴつ画を描き始めたのは、僕の心に突き刺してくれた人がいたから。

20分くらい描いて、また雨が降ってきたのでおしまい。報酬は€0.00なんだけど、片付けをしていると、さっきの中国の3人組が僕を傘の中にサッと入れて、「カム、トゥギャザー、ユア、ステーション」って。

えっ、15分前に去っていったはずなのに!すごい嬉しい。自分の傘は持ってたけど、とりあえず入れてもらった。

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連絡先を聞いてくれたので、教えてお別れ。

散髪したからかな?(だいぶ前)